それでも、春はやって来る!
鹿嶋市在住のガーデンデザイナー、ボスこと溝口 望です。
今日は、3月11日。あの、震災から、3年ですね。
3年前の今日、私は茨城県行方市へお客様とお庭を作るために、現地調査に伺っていました。
突然、鳥が大きな声で鳴いたかと思うと、ゴーという地響きのような不気味な音と共に地面が揺れ始め…。
どうすることもできず、お客さんと抱き合いながら強い揺れが収まるのをじっと待っていたのを思い出します。
あの時の光景。いまでも、目に焼き付いています。
何が起こったのか、理解するのに、しばらく時間がかかりました。
強い揺れが収まったあと、陥没した道路を横目に、アスファルトがうねってしまった神宮橋を渡って、半べそをかきながら何とか事務所へ帰ってきました。
日本中のみんなの心に深く刻まれた、3月11日。
あれから、色んなことを考えさせられました。
自然の猛威、自然のありがたさ、生かされているということ、健康であっても、明日この世にいるかどうかは誰にもわからないということ。当然のことなんですが…。実感を持って身近に「命、生きるということ」について考えました。
きっと、これからも、天国に行くまで、3月11日には、今と同じ気持ちになるんだろうな〜、と思います。
春本番を前に、予定していた工事のほとんどがキャンセルとなりました。
当然ですよね。お家があってのお庭ですから。
お家が、液状化で傾いてしまって、それどころじゃなくなっちゃったり、「お庭を楽しむ」という贅沢をすることが許されない雰囲気とでもいいますか。
正直、お庭はなくても生きて行くことはできます。
まず、最優先は、食べること、寝ること、生活ができること。ですものね。
電気、ガス、水道が使えるのが当然だった生活。
何度、出ないとわかっている水道を、つい癖で上げたり下げたりしたことか…。
会社の代表という立場で考えると、まず、お客様は皆、大丈夫だろうか?
お庭は危険な状態になっていないだろうか?という不安。
車と自転車組に分かれて、一軒一軒パトロール。
徐々に、鹿嶋市や神栖市、潮来市の現状がわかってくると、さらなるショックと共に、どこから手をつけて行けば良いのかわからない液状化の脅威。皆さんも、大きな不安に駆られていたと思います。
一体、この先、どうなっちゃうんだろう?と。
地震の後、日々どんな仕事をしていたかは思い出せないのですが、ある日、こんな電話がかかってきたのを覚えています。
「もしもし?そちらに、春のお花は置いてますか?」
思いもよらないお電話でした。コンビニの棚が空になっちゃうくらい、流通が滞っていたあの頃。
お腹の足しに全然ならない、お花を買いに行きたいと。
日々暖かくなる3月です。「お庭に出て、お花を触って土いじりしてると、気分が落ち着くのよ〜。」
確か、そんな風におっしゃっていたと思います。
何が起こっても、日は昇り、夜がやってきます。
冬の後には、必ず春がやってきます。
植物たちは、地震が来ようが、台風が来ようが、季節になれば、一切文句を言わずに、ちゃんと芽を出し、一生懸命、花を咲かせる準備をします。それは、ずーっと昔から、今日も変わらないことのひとつですよね。
何があっても、それでも、春はやって来る!その事実を信じて。
生きていれば、絶対に乗り越えられる!その強さを持って。
これからも与えられた命、人生を全うして行きたい!と思う3・11です。
ボスでした。